味方タンクの体力が満タンに近いのに、サポートが回復を続けている場面を見たことはないだろうか。その間、敵DPSは安全に攻撃を続け、味方の別のメンバーは支援を受けられずに倒されていく。

「サポートはヒールボットではない」という言葉を聞いたことがあっても、実際の試合で何をすればよいのかは分かりにくい。

Overwatchのサポートは、味方の体力を回復するだけのロールではない。回復、ダメージ、ユーティリティを使い分け、味方が敵へ圧力をかけ続けられる状態を作りながら、敵がこちらへ圧力をかけにくい状況を作るロールである。

この記事では、まずサポート全体に共通する役割と立ち位置の原則を解説する。そのうえで後半では、回復、ダメージ、ユーティリティをすべて持つアナを具体例として、これらの原則を実戦でどのように使うのかを説明する。

アナの射程やスキルの使い方が、そのまますべてのサポートに当てはまるわけではない。しかし、必要な回復を見極め、余裕がある時間に敵へ圧力をかけ、敵味方の位置に合わせて立ち位置を変える考え方は、ほかのサポートにも応用できる。

第1部 サポート全体に共通する役割

サポートの目的は回復量を増やすことではない

Overwatchで最終的に必要になるのは、敵を倒して人数差を作り、目標を確保することである。回復そのものが試合の目的になるわけではない。

味方を回復する意味は、その味方が生き残り、敵への攻撃を続けられる状態を作ることにある。回復されたタンクやDPSは、敵へダメージを与え、クールダウンを使わせ、重要な場所を確保できる。つまり、回復は味方の圧力を維持するための手段である。

しかし、すでに安全な味方を回復し続けても、その味方が出せる圧力はそれ以上増えない。追加の回復が必要ない時間まで回復を続けていると、敵への攻撃やユーティリティの使用機会を失ってしまう。

サポートに必要なのは、常に誰かを回復し続けることではない。味方が戦闘を続けるために必要な回復を行い、それ以上の回復が必要ない時間を、ダメージやユーティリティへ変換することである。

サポートが持つ3種類の価値

サポートの行動は、大きく「回復」「ユーティリティ」「ダメージ」の3種類に分けられる。

この3つは異なる行動に見えるが、目指している結果は共通している。味方が敵へ圧力をかけやすい状態を作り、敵が味方へ圧力をかけにくい状態を作ることである。

回復

回復は、味方が受けている圧力を和らげ、戦闘を継続できる状態へ戻す行動である。敵から攻撃されている味方を回復すれば、その味方は遮蔽物へ下がらずに攻撃を続けられる。

ただし、体力が減っている味方を必ず最大まで回復する必要はない。すでに敵の攻撃から離れている味方や、直ちに倒される危険がない味方には、追加の回復よりも別の行動を優先できる場合がある。回復の必要性は、体力の数字だけでは判断できない。

ユーティリティ

ユーティリティとは、直接的な回復やダメージ以外の方法で、味方や敵の行動を変化させる能力である。敵を行動不能にする、移動させる、弱体化させる、味方の移動や攻撃を強化するといった能力が含まれる。

ユーティリティで敵の攻撃を中断すれば、味方が受ける圧力を減らせる。味方を強化して攻撃しやすくすれば、味方が出せる圧力を増やせる。ユーティリティの価値は回復量やダメージ量には表れにくいが、戦闘を直接動かす力を持っている。

ダメージ

ダメージは、敵へ直接圧力をかける手段である。敵の体力を減らせば、その敵は遮蔽物へ下がる、回復を待つ、防御スキルを使うといった対応を迫られる。その間、敵は味方への攻撃を続けにくくなる。

サポートが敵を攻撃することは、味方を守ることと反対の行動ではない。敵が攻撃を続けられない状態を作ることで、味方が受けるダメージそのものを減らしている。

攻撃が回復以上に味方を守ることがある

味方が敵から攻撃されているとき、回復だけを続けても敵の攻撃は止まらない。敵が安全な状態で攻撃を続けられる限り、味方は継続的にダメージを受ける。サポートはそのダメージを回復し続けなければならず、敵が与えたダメージを後から埋めるだけの状態になってしまう。

ここで敵へダメージや弱体効果を与えれば、敵は攻撃を止めて下がらなければならない場合がある。一瞬回復を止めたとしても、その後に発生するはずだったダメージを防げる可能性がある。

敵へ圧力をかけることは、味方への圧力を取り除くことでもある。

もちろん、今すぐ回復しなければ倒される味方を無視して敵を攻撃するべきではない。回復と攻撃のどちらが正しいかを固定するのではなく、その瞬間にどちらが味方への圧力を大きく減らせるかを判断する必要がある。

必要以上に回復し続けない

サポートで起こりやすいミスの一つが、追加の回復を必要としていない味方を回復し続けることである。

味方の体力が最大ではなくても、すでに安全な場所へ下がっている場合や、敵から狙われていない場合は、今すぐ完全に回復する必要がないこともある。特に、体力の多いタンクに対する少量の追加回復は、戦況へ与える影響が小さくなりやすい。

ただし、体力が一定以上なら回復を止めるという単純なルールではない。味方が前へ出て交戦している場合や、次の瞬間に大きなダメージを受ける可能性がある場合は、早めの回復が必要になる。

回復の優先度は、現在の体力、敵から受けている圧力、味方が取っている位置、今後受ける可能性があるダメージを合わせて判断する。

回復を優先するべき味方

優先して回復するべきなのは、体力が低く、現在も交戦している味方である。

同じ低体力でも、遮蔽物の裏へ下がっている味方と、敵の目の前で戦い続けている味方では緊急度が異なる。交戦中の味方は次の瞬間にも攻撃を受けるため、素早く回復する必要がある。

反対に、すでに敵から離れている味方や、ヘルスパックを取りに向かっている味方に対しては、回復を途中で切り上げられる場合がある。

味方を必ず最大体力に戻してから別の行動を始めるのではなく、その味方が戦闘を続けられる状態まで戻したら、敵への攻撃やほかの味方への支援へ切り替える。この切り替えの速さが、回復以外の価値を出せる時間を増やす。

第2部 サポートの立ち位置の基礎

立ち位置に必要な変わらない条件

サポートの立ち位置は、使用するヒーローや敵の構成によって変わる。しかし、どのサポートでも確認するべき基本的な条件がある。

まず、敵から狙われたときに射線を切れる遮蔽物が必要になる。次に、回復や支援を行うための味方への射線が必要であり、可能なら敵へ攻撃やユーティリティを使える射線も確保したい。さらに、自分のヒーローが強みを発揮できる距離を保つ必要がある。

良い立ち位置とは、単に安全な場所ではない。味方を支援でき、敵へも関与でき、自分が狙われたときには遮蔽物を使える場所である。

オフアングルで異なる射線を作る

オフアングルとは、味方のメインとは異なる射線から敵を見る位置のことである。

必ずしも大きく横へ回り込んだり、敵の後方まで移動したりする必要はない。味方から少し左右へずれる、高台を使う、隣の遮蔽物から敵を見るといった位置でも、味方とは異なる射線を作れていればオフアングルになる。

味方全員が一か所に固まり、同じ方向から敵を見ていると、敵は一つの遮蔽物やバリアですべての攻撃を防ぎやすい。サポートも味方の身体によって視界を遮られ、敵へ攻撃やユーティリティを使いにくくなる。

別の射線を作れば、敵は複数の方向を警戒しなければならない。ただし、オフアングルを取る目的は孤立することではない。味方と同時に異なる射線から圧力をかけることが目的である。

良い立ち位置は固定ではない

遮蔽物、射線、適切な距離が揃った場所を見つけても、試合中ずっと同じ場所に立ち続けられるとは限らない。

敵と味方は常に移動している。少し前まで安全だった場所が危険になったり、使えなかった射線が新しく空いたりする。

そのため、良い場所を一度見つけて、そこへ立ち続けるだけでは不十分である。敵味方の位置や移動に合わせて、自分の立ち位置を更新する必要がある。この考え方をダイナミック・ポジショニングと呼ぶ。

ダイナミック・ポジショニングは、常に動き続けることではない。現在の位置から十分な価値を出せており、敵からも追い出されていないなら、その場所を維持してよい。状況が変化したときに、同じ場所へ固執しないことが重要になる。

敵が一つの場所を閉じれば、別の場所が開く

敵が自分を追い出すために移動してきた場合、その敵が移動した先の射線は危険になる。しかし、敵がそこへ移動したことで、別の場所にかかっていた圧力は弱くなる。

たとえば、自分が右側の射線を使っているときに敵が右側へ移動してきたなら、その場で戦い続ける必要はない。敵が右へ移動したことで空いた中央や左側へ移り、別の射線から価値を出せる場合がある。

敵が一つの場所を使えなくしようとすれば、そのために敵自身も位置や時間を使う。そこから生まれた別の空間を利用することが、ダイナミック・ポジショニングの基本になる。

立ち位置を変えるときは、「現在地が危険になったか」だけでなく、「敵の移動によって、どこが新しく空いたか」を見る必要がある。

立ち位置は敵のヒーローと位置によって変わる

同じマップ、同じ場所でも、敵の構成や位置によって安全な立ち位置は変わる。

遠距離から攻撃する敵が一つの射線を見ているなら、その射線を切りながら別の場所へ移動する。近距離で強い敵が接近しているなら、その敵から距離を作る。

「このマップでは必ずここに立つ」と場所だけを覚えるのではなく、その場所が現在の敵に対して遮蔽物、射線、距離の条件を満たしているかを確認する必要がある。

敵が到着する前に動く

機動力の高いサポートは、敵が接近してから移動できることもある。一方で、アナ、ゼニヤッタ、バティストのように素早く逃げにくいヒーローは、敵が到着してからでは間に合わない場合がある。

そのため、敵が自分へ接近する動きを見せた段階で、次の位置へ移動する必要がある。敵がすでに目の前に来てから逃げるのではなく、どのルートから来るかを予測し、先に別の射線へ移る。反応するだけでなく、敵の次の動きを予測して移動することが重要になる。

判断は「敵はどこにいるか」「次にどこへ行くか」

ダイナミック・ポジショニングでは、考えられる要素が多い。すべてを一度に考えるのが難しい場合は、まず二つの質問を繰り返すとよい。

「自分を脅かす敵は今どこにいるか」

「その位置を踏まえて、自分は次にどこへ移動するか」

最初は完璧な移動先を選ぶ必要はない。敵の位置を確認せずに同じ場所へ残り続けることを減らすだけでも、立ち位置は大きく改善される。

味方の位置も移動先を決める材料になる

敵の位置だけでなく、味方がどこにいるかも重要になる。一人では危険な場所でも、タンクや別のサポートと一緒に移動できるなら安全に使えることがある。反対に、味方から完全に離れ、自分一人で敵と遭遇する場所は危険になりやすい。

敵から離れることだけを優先して、味方が一切見えない場所へ移動してしまえば、サポートとしての価値を出せない。敵の脅威から離れながら、味方と敵の両方に関与できる位置を探す必要がある。

強い場所は敵が動くまで維持してよい

遮蔽物があり、味方と敵への射線が通り、適切な距離も保てている場所は、パワーポジションとして長く使える場合がある。

その場所から十分な価値を出せており、敵からも追い出されていないなら、移動する必要はない。強い位置を確保したら、まずはそこから価値を出す。敵がその位置を閉じるために移動してきたら、その敵の移動によって新しく空いた場所へ移る。

良い位置を維持することと、必要になったら手放すことの両方が必要になる。

集団戦の前に次の立ち位置を作る

立ち位置は、敵が目の前に来てから考えるものではない。

集団戦が終わった後や、両チームが次の戦闘場所へ移動している間に、次の位置を作る必要がある。戦闘が始まってから位置を変えようとすると、その移動中は回復も攻撃もできない。

次にどこで両チームが接触するかを予測し、その場所に対して遮蔽物、射線、適切な距離を確保できる位置へ先に移動する。サポートでは、戦闘中の反応だけでなく、戦闘と戦闘の間に先回りして位置を作ることが重要になる。

第3部 サポートの原則をアナで実践する

ここからは、前半で説明したサポートの役割とポジショニングの原則を、アナでどのように実践するかを解説する。

アナは、同じ武器によって味方への回復と敵へのダメージを行える。さらに、バイオティック・グレネードによる回復阻害と、スリープ・ダーツによる行動不能を持っている。

そのため、回復、ダメージ、ユーティリティを切り替えるサポートの基本を理解しやすい一方で、適切な立ち位置とタイミングを作れなければ、能力を十分に活かせない。

アナの立ち位置を決める「CAR」

アナの基本的なポジショニングは、Cover、Angle、Rangeの頭文字を取った「CAR」で整理できる。

Coverは、敵から狙われたときに射線を切れる遮蔽物。Angleは、味方のメインとは異なる射線を作るオフアングル。Rangeは、敵の脅威に近づかれすぎず、アナの遠距離性能を活かせる距離を指す。

アナは機動力が低いため、敵から攻撃されてから安全な場所を探しても間に合わないことが多い。最初から遮蔽物の近くに立ち、味方と敵の両方へ射線が通り、敵との距離を維持できる場所を選ぶ必要がある。

一般的な目安としては、敵の脅威から15〜20メートルほどの距離を保つ。ただし、必要な距離は敵のヒーローや構成によって変化する。

タンクの真後ろに重ならない

アナがタンクのすぐ後ろへ立つと、味方と同じ射線しか持てなくなる。敵への視界がタンクの身体によって遮られ、バイオティック・グレネードや射撃を敵へ通しにくくなる。

さらに、敵がタンクを狙って撃った攻撃に巻き込まれやすい。タンクが後退した瞬間には、自分も敵の射程へ入ってしまう。

タンクの真後ろではなく、遮蔽物を使いながら少し左右や高低差をつける。ただし、オフアングルを取るために味方から孤立してはいけない。

安全な位置から常に価値を出す

遮蔽物、オフアングル、距離が揃った安全な立ち位置を作れているなら、集団戦中は常に何らかの価値を出すことを目指す。

味方が危険なら回復する。回復を必要としている味方がいないなら、敵へダメージを与える。バイオティック・グレネードを有効に使える機会があれば、敵へ回復阻害を与える。

味方の体力が減るまで何もせずに待つのではなく、回復が必要になるまで敵へ圧力をかける。現在最も必要な対象へ、一発ずつ視線を切り替えることが基本になる。

バイオティック・グレネードで先に圧力を作る

アナのユーティリティの中心になるのが、バイオティック・グレネードである。

敵へ当てればダメージを与え、一定時間回復を受けられない状態にする。回復を受けられなくなった敵は、そのまま前へ立ち続けることが難しくなり、遮蔽物へ下がらなければならない。

敵が後退すれば、その敵が出していたダメージや回復も止まる。つまり、敵へのグレネードは、敵の体力を減らすだけでなく、敵チーム全体の圧力を下げる可能性がある。

集団戦が始まる前にクールダウンを無駄にしない

バイオティック・グレネードやスリープ・ダーツを当てられそうだからといって、味方がまだ攻撃できない段階で使用しても、大きな成果にはつながりにくい。敵は遮蔽物へ下がり、効果が切れるのを待てばよい。

クールダウンの価値は、敵に当てたかどうかだけでは決まらない。当てた後に味方が追撃できるか、その効果によって敵が戦闘から下がらなければならないかが重要になる。味方が敵へ圧力をかけ始めた瞬間に合わせて使用することで、敵は簡単に効果が切れるのを待てなくなる。

敵タンクだけを狙う必要はない

バイオティック・グレネードは、身体が大きく前線にいる敵タンクへ投げることが多い。しかし、常に敵タンクが最も価値の高い対象とは限らない。

重要なのは、敵の役割ではなく、その敵が現在どこから圧力をかけているかである。強いオフアングルから攻撃しているDPSへ当てれば、そのDPSを射線から追い出せる。敵のサポートへ当てれば、そのサポート自身を下がらせ、ほかの敵への回復も止められる可能性がある。

近いか遠いか、タンクかDPSかサポートかではなく、その敵を戦闘から下がらせたときに、味方がどれだけ楽になるかを考える。

グレネードは具体的な一人を狙う

複数の敵が集まっていると、全員へグレネードを当てようとして、敵の集団の中央へ大まかに投げたくなる。しかし、誰も具体的に狙わなければ、結果として全員を外すことがある。

範囲攻撃であっても、最初に一人の対象を決めて狙う。大人数へ当てることより、意味のある一人へ確実に当てることを優先する。

回復が必要ない時間は敵へ撃つ

アナの武器は、味方へ当てれば回復し、敵へ当てればダメージを与える。味方に回復が必要ない時間は、敵へ射撃することで価値を出せる。

エイムに自信がなくても、敵を撃つことを避けるべきではない。二、三発外した後に一発を敵へ当てるほうが、確実に敵のバリアへ撃ち続けるよりも、大きな価値を生む場合がある。

バリアより圧力を出している敵を狙う

敵のバリアは大きく、弾を当てやすい。しかし、バリアへ数発撃つことと、体力の少ない敵へ一発当てることでは、戦闘への影響が異なる。

体力の少ないDPSやサポートへダメージを与えれば、その一発が最大体力に占める割合は大きくなる。敵は下がったり、回復を要求したりしなければならない。

バリアを破壊する明確な目的があるなら攻撃する価値はあるが、ほかに敵を狙えるなら、敵本人へ圧力をかけることを優先する。

スリープ・ダーツを防御に残す判断

スリープ・ダーツは、敵の行動を止められる強力なユーティリティである。ただし、常に攻撃的に使用すればよいわけではない。

自分へ接近できる敵がいる場合は、その敵から身を守るために残しておく価値が高い。ゲンジ、トレーサー、マウガなどが自分を狙える状況で先に使用すれば、接近されたときの防御手段がなくなる。

一方で、自分へ接近できる敵がいない、敵が遠くにいる、集団戦がすでに始まっているといった場合は、攻撃的に使う選択肢が生まれる。使う前には、「これを外した直後に、自分へ接近できる敵がいるか」を考える。

積極的なオフアングルは味方とタイミングを合わせる

味方の近くで取る安全なオフアングルなら、比較的早い段階から利用できる。しかし、味方から離れた深いオフアングルや、フランクに近い位置を使う場合は、味方の攻撃開始とタイミングを合わせなければならない。

味方タンクやDPSがまだ戦っていない状態でアナだけが敵へ攻撃すると、敵全員の注意がアナへ向く。タンクが前へ出た、DPSが敵へ接近した、味方のアルティメットが始まったなど、敵が複数の方向へ対応しなければならない瞬間に合わせて攻撃する。

敵の脅威に合わせて立ち位置を変える

アナでも、一度良い位置を取った後に立ち続けるのではなく、敵の移動へ合わせて立ち位置を変える必要がある。

敵のトレーサーが右側から接近しているなら、右側へ居続けず、距離を作れる中央や左側へ移動する。アナは敵が到着してから逃げるのでは遅い場合が多い。敵の移動を確認した段階で、次の場所へ先に動く必要がある。

良い高台を簡単に手放さない

アナで敵へ圧力をかけようとすると、無意識に前へ歩いたり、高台から下りたりすることがある。

しかし、現在の高台から味方と敵の両方が見えているなら、敵へ近づくために下りる必要はない。敵へ圧力をかけることと、敵へ接近することは同じではない。アナは距離を維持したまま圧力を出せることが強みである。

敵がその高台へ圧力をかけてきていないなら、その場所を維持してよい。

基本を破るなら大きな見返りが必要になる

遮蔽物、オフアングル、距離は、アナが安定して価値を出すための基本である。しかし、実戦ではすべての条件を常に守れるわけではない。

場合によっては、距離を失ってでも大きなグレネードを当てたり、味方の攻撃に合わせて危険な位置を使ったりする価値がある。

ただし、基本を破る行動には相応の見返りが必要になる。敵の複数人へ回復阻害を与えられる、敵の重要な行動を止められる、そのまま集団戦を決められるといった明確な成果がある場合に、リスクを取る価値が生まれる。

基本を知らずに危険な場所へ行くことと、基本を理解したうえで条件が揃った瞬間だけリスクを取ることは異なる。

実戦で最初に練習すること

最初から回復、ダメージ、ユーティリティ、ポジショニングのすべてを同時に判断するのは難しい。一つずつ意識する内容を増やしていくとよい。

最初は、集団戦が始まる前に、近くに遮蔽物があるか、味方への射線が通っているか、自分のヒーローに合った距離を保てているかを確認する。

次に、回復中の味方が安全になったら、敵へ一度攻撃することを意識する。別の味方が危険になれば、すぐ回復へ戻る。

慣れてきたら、敵の位置を定期的に確認する。アナを使う場合は、味方が攻撃を始めた瞬間にバイオティック・グレネードを合わせる。複数人へ大まかに投げるのではなく、現在積極的に戦っている一人を具体的に狙う。

最後に、自分を狙える敵がいるかを見て、スリープ・ダーツを攻撃に使うか、防御に残すかを判断する。

まとめ

サポートは、味方の失った体力を元に戻すだけのロールではない。回復、ユーティリティ、ダメージを使い分け、味方の圧力を維持しながら、敵の圧力を減らすロールである。

回復は、味方が戦闘を続けるために行う。ユーティリティは、敵の行動を制限したり、味方の行動を助けたりする。ダメージは、敵を後退させ、味方が受ける圧力を減らす。

これらの行動を安全に行うためには、遮蔽物、味方と敵への射線、自分のヒーローに合った距離が必要になる。

ただし、良い立ち位置は固定ではない。敵が一つの場所へ移動すれば、別の場所が空く。敵の位置を確認し、その変化に合わせて自分の立ち位置を更新し続ける必要がある。

アナでは、この原則をCARによって整理できる。遮蔽物を使い、オフアングルから異なる射線を作り、敵の脅威から距離を保つ。その位置から、味方が危険なら回復し、安全なら敵へ射撃する。

味方の攻撃開始に合わせてグレネードを使い、自分を狙える敵がいるならスリープ・ダーツを残す。

サポートで常に考えるべきことは、単純な回復量ではない。

今この瞬間、回復、ユーティリティ、ダメージのどれを使えば、味方の圧力を最も増やし、敵の圧力を最も減らせるか。

そして、その行動を安全に行うためには、現在の敵味方の位置を踏まえて、次にどこへ立つべきかを考え続ける必要がある。